私たちが年齢を重ね老後を迎えると、
在宅時間が増え、家が生活の中心となります。
しかし、高齢になり身体機能が低下していくと、
若い頃には不便を感じなかった自分の家のあちらこちらで、
不具合を感じ始め次第に暮らしの障壁となり、
日常活動が制限される原因となってしまうことが多いのです。
それを解決するのが福祉住環境という考え方です。
福祉住環境とは、
高齢者や障害者が不便なく、できるだけ自立して生き生きと暮らせるように、
また介護者・介助者の負担を軽減できるように、
住宅の様々なバリアを取り除き、住宅を改良することです。
段差の存在
段差は若くて健康体であればほとんど気になりませんが、
高齢者や障害者の生活には大きな悪影響を与えます。
廊下の幅員の狭さ
現状多くの家庭の廊下や開口部は、柱芯-芯間隔を3尺=91㎝幅で構成されているため、有効幅員が狭く、
手摺を付けたりすると可動域が狭まります。
自立歩行が困難になって介助者が歩行の介添えをしたり、
自走用車椅子などの福祉用具を使用する高齢者や障害者が移動するには狭すぎたりします。
居住スペースの狭さ
空間が狭くなると、室内間の移動、特に車椅子などの福祉用具を使った室内移動や、介助や介護するためのスペースを確保することが難しくなります。
冬の寒さ ヒートショック対策
日本の住宅は、高温多湿という気候に従い、どちらかと言えば夏に合わせて作られているので、冬の間は室内の寒さが厳しいという問題があります。
若い世代の方だけでなく、その先の将来、または一緒に住まわれるであろう高齢者の方たちが安心して快適に住ませる暮らしを考えましょう。
玄関廊下
将来的にポーチ~玄関のスロープ化を考え、車椅子での昇り降りに可能な傾斜と広さを設けます。
廊下は手摺の取付けを可能とする補強下地入りの壁面を採用し、床材も汚れやキズが目立ちにくい素材を使用します。
視覚障害で羞明が進むと照返しにより、まぶしく見にくくなるので、床材の色は白色は避け、茶系色を採用します。
バリアフリー化と扱いやすい引き戸の採用でどこへ行くにも障害がない設計にします。
更にベットルームとトイレが隣り合わせ(施工によりトイレ付きベットルームも可 )という高齢者にやさしく安心なルームレイアウトも考慮します。
キッチン
オープンタイプのキッチンは、椅子を利用しての作業がやり易く、安全性の高いIHクッキングヒーターと使いやい長手のレバー付きシンクを採用します。
ダイニングルームとキッチンでの対話が楽しめるので料理をしながらのコミュニケーションに適しています。
浴室等
サニタリーは車椅子のまま足が入る多目的カウンターと収納スペースを設けます。
バスルーム内は浴室暖房・換気機能共に室温との温度差に配機能共に室温との温度差に配慮した造り、バスタブも福祉住環境の規定をクリアしたサイズを採用します。
※高齢者の家庭内事故死で最も多いのは、入浴中の溺死です。
洗面所トイレ
ドレッシングルームは広々とした造りで、車椅子での使用も楽な姿勢で身だしなみがら行えます。
トイレスペースも将来的に手摺りを設けられる広さを考慮した設計とします。
当社には福祉住環境コーディネーター2級資格者がおりますので、介護保険制度利用のリフォーム工事等について、
工務店・リフォーム業者と提携して皆様のお悩みの解消に努めてまいります。