各不動産会社のホームページを見渡しても、
なかなか建物価格の査定の記載がないと思います。
ないのも道理で、建築士や不動産鑑定士であるか、住宅会社の出身の不動産業者でなければ、建物価格の導出の仕方がわからない業者が多いのです。
実際のところ、裁判所等の公的機関に提出するのであれば、根拠のある建物価格を判定するには、1級建築士か不動産鑑定士に依頼するのが正確でしょう。
また減価修正しての残価率算定にしても、
税法の法定耐用年数をそのまま使い22年とするのが多勢です。 (税法では、木造住宅は22年で残存価値が1割になるとの定め)
※建物査定の現価率(現在価格を算出する基礎)【 1-0.9×(経過年数÷耐用年数)】で表します。
多くの業者は建物のことがよくわからないため十羽一絡げで20年経過したら建物価格なし、といわば査定を回避しているのです。
果たしてそれでよいのでしょうか?
宮城県沖地震を経て昭和56年建築基準法の新耐震基準が策定され、その後阪神淡路大地震を経験し、平成12年に最新の耐震基準が策定されてからの建物でも耐用年数22年なのでしょうか?
品確法をクリアした長期優良住宅でも22年なのでしょうか?
地震国なので欧米並みに70年とはできないでしょうが、
「一律20年、22年で建物価格なし」は、疑問です。
施工の質と量に応じて、経済的残存耐用年数は変わると考えるべきと考えます。
当社の実践的査定では、
建物再調達原価は、建築統計年報に基礎を求め、
また国交省土地・建設産業局の期待耐用年数の考え方に依拠し、 きめ細かく建物価格の査定を行っています。